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aj

年末

ぼうっとしていたらあっという間に12月です。

環境は昨年と大きく変わったものの、楽器を続ける生活は今まで通りでした。ただ日常のスピードは去年よりもずっと速くなって、週3回のリハーサル、2回のアルバイト、そして月4, 5回の本番の繰り返し。最初こそ忙しさに目が回りましたが、それもあたりまえになり、いつの間にか気にならなくなりました。

所属するサークルが変わったため自分の立ち位置も変わり、全体に目を向ける必要がなくなったので、自身の演奏に集中することができるようになりました。去年からの傾向ではありますが、奏法に対して、視線がよりプリミティブなものに向くようになった気がします。管楽器演奏におけるリリシズムや強弱、音色といった概念を、その身体的な要因である発音や息、姿勢、力などに分解して練習します。例えば舌をつく際の息の溜まり具合や面積、喉や肺の形、息の速さや流量の変化など。ハーモニーや音のシーケンスに対しても、相対度数やピッチに着目し、基本的なアルペジオロングトーンなどに立ち返りました。ところで、良い音楽とは何かをひたすら考えていく過程で、音楽に対する信仰のようなものが減ってしまったように感じます。好きなものはたいして増えなかった分先鋭化されて、嫌いなものに敏感になった。しかし、どうして楽器を続けているんだろうという苦悩が、気がついたら消えています。どこかで受容がありました。身に合わないことをやっているのでしばしば辛さを感じますが、期待せず、技術の向上のためと割りきっています。

言葉をつかうのが本当に苦手で、今年もほとんど喋らず、書かずの生活でした。ものを言って頭の中身を排出することの大切さをひしひしと感じます。考えは外に出さないと滞留してしまうし、他に何も頭に入らなくなります。おかげで一度に一年分を書くはめになり、文章に一貫性を埋め込むこともできず、トピックの一つ一つが頭の中で摩耗してしまっているので、大したことも書けません。喋る内容も悪口の割合が増えました。数年前の自分からしたら信じられないぐらいです。謙虚さが必要です。つかう言葉に気をつけつつ、来年はもう少し書く量と頻度を増やせたらいいなと思います。もっと話せるようにもなりたい。それにしても、中身がないので難しい。

今年のベスト

新譜

  • Into The Silence / Avishai Cohen
  • Sunday Night at the Vanguard / Fred Hersch
  • Rising Grace / Wolfgang Muthpiel

旧譜

Ryoji Ikeda × Merzbow @WWW X

ライブ

www-shibuya.jp
観ました

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今年の9月にオープンしたWWW X(2号店)。来たのは今月のFloating Points公演以来で、そのときは最後の曲のサウンドトラブルでノイズが走って萎えましたが、今回は内容的に心配しなくても良さそうですね。

先攻はMerzbow。黒いTシャツを着て現れ、照明がまだ落ちない状態から突然スタート。いきなり爆音。機材は恐らくいつも通りで、たくさんの発振器?やエフェクタ類+コイルを張ったギターのようなものを金属の表面をもった板でかき鳴らすスタイル。45分間、微妙に音を変化させながら空間が即興的に埋め尽くされる。ハーシュなノイズといっても、轟音は低音で支えた上で本当に耳にキツい帯域の音は比較的控えめにしているところにこだわりを感じる。構成音は低音ノイズ+純音+ギタージャカジャカか...?演出はシンプルで、本人の後ろからライトが後光のように照らされる程度。観客も皆棒立ちで前を見上げて動かず、さながら教祖と信者のよう。と、そんなことを考えていたら後半に容赦ない音域のノイズが無慈悲に突き刺さる。耳の安全なんて無かった。周りのライトもバチバチ光り出すし教祖を直視すらできなかった。2年ぶり3回目、最近は目覚ましアラームに聴いている程度でしたが存分に楽しみました。終演後に興奮しすぎて爆笑している外人が良かった

30分程の交換時間の後、後半戦突入。てか休憩しても耳鳴りが治らないしハイカットフィルターが付いたみたいになっている。以前WWWでTim Heckerの前に観たときも思ったけどこの人オープニングアクトとか先攻に向いてないのでは? そして池田亮司が白Tシャツ、ニット帽、サングラス姿で現れる。メルツバウと対比になっていていいですね。機材も対照的で、台上にあるのはmacbook(林檎は帯で隠されている)といくつかのでかいミキサーか。小さなドットから始まるオープニング映像が相変わらずクール。セットリストはほぼsupercodexか?前行ったライブ*1と映像も音楽も同じような感じ。ところでWWW X、音響の素晴らしさは言うまでもないがプロジェクタの発色が本当にすごい。白黒がちゃんとした色でくっきり映っている。ついでに池田亮司の白Tシャツにも投影されていてカッコいい感じになっていた。ノイズの音色もメルツバウと違いある程度整って設計されているような印象を受ける。そのせいか揺らすパワーが強く、床が、服が、骨が、内臓が振動させられる。これは人生で一回は体験するべき。特に声帯が振動しているような感触が本当に面白くて、この状態だと多分声とか出ないんだろう。前のダメージもあり、途中2回ぐらい気を失って倒れそうになったけれど、後半になって加速した攻撃性に当てられ無理やり起こされる。マゾい。音と映像が同期しているのは、録画ではなくソフトウェアとして実装されているのか。最後に数秒間、バーコードが白黒ではなく白と原色になるカラフルなシーンがあり驚いた。次回作のイメージを示唆しているのかもしれない。

退場後、機材がすぐに移動されてアンコールもなしに終わるのかと思いきや、何とメルツバウのセットが隣に運ばれる。まさかの共演タイム。事前にセッション企画じゃないとか告知してあったので完全に不意打ち。ノイズといってもまったく違う音楽性の2人、並んでいるだけで異様である。白と黒、デジタルとアナログ、神と神、一体何が起こるのか。

...ガチンコ勝負だった。ドローン的なノイズとリズミカルな連打を分担するのかと思いきや、両者が時間空間を奪い合うかのような轟音を鳴らす。どの音をどちらが慣らしているのか判別がつかないが、それでも荒々しい音ときめ細かい音が鳴っているようで、より密度の濃い空間が展開されているような気がする。先程よりも元気にツマミを回す池田亮司が印象的。ユニット以外でセッションとか過去にほとんど無いんじゃないか。歴史的瞬間を観た気がする。短い時間だったけれど最高の時間だった。共演の直前の軽い打ち合わせ以外は一切喋らず、ひたすらノイズをかき鳴らす両者、どちらも本当に素晴らしかったです。

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そういえば物販で池田亮司の見たことないDVD?が売っていて、値段を見てスルーしてしまったのだけれどどうやら最近ほとんど流通していなかったものらしい。買わなかったのを後悔。

Ryoji Ikeda formula [DVD]

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杉本博司 ロスト・ヒューマン

東京都写真美術館

先日リニューアルオープンした東京都写真美術館に行きました。初回です。

名前通り写真が中心かと思いきや、3Fはインスタレーションのような展示でした。すべての壁がトタンで覆われていて気合が入っていますが、行き過ぎて遊園地のアトラクションにいるような気になります。
人類の滅亡というテーマに沿って、その終焉に直面した人物の遺書と、関連するオブジェクトが各区画に配置されています。設定は区画ごとに独立しているようです。世紀末を扱ったフィクションは多々ありますが、今回の展示ではとくに目新しいものがなく、よくある設定を使いまわしたような印象を受けます。配置されたオブジェクトも俗であったり、散々扱われて既に垢にまみれているようなものが多く*1、どうすればいいのかわからない気持ちになります。SFやTVドラマでも感じるのですが、設定やステレオタイプありきに人物が描かれているものがどうも苦手です。

2Fの展示は一転して、巨大な写真を数枚展示した暗い空間でした。こちらのほうが好みです。展示室を斜めに横切ったような思い切った壁の配置が面白い。

時間の都合で報道写真展は見に行けませんでした。

HOWL Grand Opening Live Event

先週のはモタモタしていたら即完売してしまったのですが、追加公演が発表されて、こちらはすんなり取れました。

音響が最高。スピーカーかっこいい

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Ametsub目当てで来たけどYosi Horikawaがとても良かったです。盛り上がった。

竹岡雄二 台座から空間へ

www.pref.spec.ed.jp

見ました。
作品を据えるの台座、それ自体を彫刻作品とみなす。主役を失った台座達が陳列されているのはかなりシュールです。多くが人工大理石やメッキの冷やかな表面をしていて、性格が無い。どのような作品を乗せているのか想像できない。無表情な物体が空間を占有しています。

台座というと乗せるためのものですが、作者の興味は作品を陳列するための手段そのものにあるようです。例えば、ガラスの仕切り。≪クリーン・ルーム≫はガラスに上と四方を囲まれた巨大な長方形の空間です。中は白い人工大理石が四畳半の形に敷かれているだけで、何も入っていない。代わりに、ガラスに反射する自分の姿が箱の中にいるかのように映ります。

ミニマルで面白かったです。ただ、一つの部屋にいくつも台座が並んでいるせいで印象ぼやけてしまうのが残念でした。そこまで広くない美術館なのでしょうがないですが。

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画像は上サイトより