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日記

ST/LL

www.nntt.jac.go.jp

観た。

いわゆるコンテンポラリーダンスを生で観るのは初めてした。椅子に座る、机に伏せるといった日常的なにおいのする動作すら、演者によって機械的に完全にコントロールされた演技になっており、現れた瞬間から目を惹かれました。とくに序盤は、静物の置かれた机の周りや片付けられた机の上に立つ姿が、彫像とアクターの間を行き来しているようでした。人の身体の、凄みのようなものを感じた。

舞台装置が素晴らしかった。ステージには常に水が張られており、それを撥ねて踊る演者の美しさ。ステージ後ろのディスプレイはステージ上の机のライブビューや、様々な大きさの人のシルエットを映したりと活躍します。そして一番感動したのは終盤のスモークとライト。光るもやの中、ずぶ濡れになった状態で踊るシルエットの神秘的な佇まいは、映像では表現しきれないもののような気がした。

水の上を歩く音や机の食器を動かす音が、鳴っている機械音と溶け合うように音響に組み込まれています。坂本龍一独特のマットなピアノの音色はいつもどおり。新国立劇場の音環境が良いのもあって大満足でした。

本作品はダムタイプメンバーの高谷史郎によるものですが、これが高谷史郎の作品なのかダムタイプの作品なのか判別がつかず、ダムタイプ'的'な作品のように感じられました。なんというか、コンセプトをなぞっているけれど、メッセージの提示はしないような雰囲気が。ダムタイプそのものに関する知識が池田亮司のアルバムを聞いたのと 古橋悌二の遺稿集 を読んだぐらいのものしかなく、的外れな気もするので曖昧な感想になってしまうのですが。旧作を観ないと。ところでこの遺稿集を読んだおかげか、中盤のコミカルでナンセンスな登場人物*1を違和感なく受け入れることができました。無機質なイメージが先行していたけれど、これもきっとダムタイプの重要な要素なのでしょう。

70分間のどの瞬間も異様に美しく、ぞわっとするような舞台でした。また観たい。


Takatani - ST/LL

2015年のフランス公演のダイジェスト。机にあるものとか、ところどころ今回の公演と違っている気がする。

*1:観るとわかります